稀代のリフメイカー

イッキー・サンプ

イッキー・サンプ

待ちに待った、ホワイトストライプの新作『Icky Thump』


一度、通して聞いてみたけれど、2007年のベスト10に入るのは間違いない!

全体の曲調は、今まで通りブルースとオールドロックに沿ったものだけれど

何より、このリフメイクが凄すぎる


前作の『Get Behind Me Satan』は、多少フリーというか

いわゆる西洋音楽の枠から外れた部分があった

でも、今回のアルバムは、ブルースからロックに変化しつつある

1970年代の時代の雰囲気が詰まっている


そして、ジャック・ホワイトの歌い回しが、ロバート・プラントに聞こえ

雑多な音楽を消化する姿が、まさにZeppelinにつながって聞こえてしまう

(Tr.4『Conquest』など)


彼らの曲を聞いて思うのは、彼らの曲には、いい意味で隙間が多くあるという事だ

今の時代のR&Bなりラップは、リズムパターンが曲全体を支配しているが

このアルバムでは、リフとリフの鳴っていない二つのタイムが

非常にオーガニックなリズムを生み出している

他にも、ボーカル処理などで、一見録音ミスのような部分もあるけれど

それが、逆にスタジオの距離感を我々に感じさせて

現代の、整いすぎた音楽に慣れた耳に、非常に新鮮に聞こえてくる


これは、2007年の必聴アルバムだと思う


Get Behind Me Satan

Get Behind Me Satan